平成12年度 高知県精度管理調査
調査実施後アンケートの集計結果
 


アンケート内容

 
  1. 各施設の状況などに関して
  2. 調査内容と報告に関して
  3. 調査の効果に関して
  4. 調査全体に関して
  5. その他の質問やご意見

回答施設数:65

精度管理委員会TOP 平成14年度の方針と予定

1.各施設の状況などに関して
Q1:精度管理研修会に参加したか?
A:はい=43(66.2%)、いいえ=22(33.8%)
実行委員会のコメント:
 高知市での報告会(精度管理研修会)および本アンケート実施後、幡多地区でも報告会を実施いたしました。したがって、研修会参加率はもう少し高いと思われます。平成14年度も研修会への参加をお願いします。
Q2:参加費は施設の公費として支払われたか?
A:はい=56(86.2%)、いいえ=7(10.8%)
実行委員会のコメント:
 本精度管理事業は、高知県長寿社会政策課および高知市保険所との共同事業であり、高知県より委託されている衛生検査所の精度管理調査も兼ねております。高知県技師会としても高知県医師会への働きかけをおこなっていきますが、各施設におかれましても、公的な事業であることを施設長などに説明の上、経費の支出を依頼して下さい。
Q3:施設長に調査の説明をしたか?
A:はい=56(86.2%)、いいえ=7(10.8%)
Q4:施設長に調査結果を報告したか?
A:はい=43(66.2%)、いいえ=22(33.8%)
実行委員会のコメント:
 経費の点からも施設長等に説明、報告をお願いします。また、このような事業を検査技師会が主体となって実施していることを施設長等に認識していただくことは、引いては病院における臨床衛生検査技師の必要性の認識へもつながっていくものと考えます。
 また、今年度以降も平成12年度と同様に各施設長宛に精度管理報告(研修会テキスト)を送付します。各施設長への説明は、各施設でよろしくお願いします。
Q5-1:調査実施料を値上げしてもよいか?(現行=500円/1部門)
A:はい=40(61.5%)、いいえ=22(33.8%)
Q5-2:はいの場合、1部門いくらまでなら参加可能か?
A:1000円=26(32.3%)、1500円=7(10.8%)、2000円=9(13.8%)
実行委員会のコメント:
 平成12年度の事業会計報告では、参加費収入は90,000円足らずで、郵送・宅急便などの通信・配送費にも足りませんでした。予算面では県の援助に負うところが大きく、今後の実施内容しだいでは参加費の増額もやむをえないかもしれません。

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2.調査の内容と報告に関して
Q1:結果速報の配布時期は適当だったか?
A:はい=64(98.5%)、いいえ=0(0.0%)
Q2:施設名を公開しても良いか?
A:はい=40(61.5%)、いいえ=18(27.7%)
実行委員会のコメント:
 平成14年度は、施設名非公開のまま実施する予定です。いくつかの施設より質問のあった、施設名公開の目的については、別途記載しております。→こちらへ
Q3:実施要領はわかりやすかったか?
A:はい=43(66.2%)、ふつう=21(32.3%)、わかりにくい=0(0.0%)
Q4:速報の内容はわかりやすかったか?
A:はい=41(63.1%)、ふつう=22(33.8%)、わかりにくい=1(1.5%)
Q5:最終報告(研修会テキスト)はわかりやすかったか?

A:はい=39(60.0%)、ふつう=23(35.4%)、わかりにくい=0(0.0%)

実行委員会のコメント:
 各部門ともに機種や原理などが多種多様であるとともに、必ずしもグループ分けに十分な参加数が得られません。そのような理由で、一目でわかる報告書の作成が難しいのですが、今後とも努力していきます。また、施設ごとの報告書も必要なのですが、平成14年度については今後の課題とさせてください。
Q6:尿一般検査部門では、凍結乾燥品を使用したが、試料としては適当だったか?
A:はい=51(78.5%)、いいえ=2(3.1%)
実行委員会のコメント:
 尿一般検査の試験紙は、標準化がされていないため、(+1)、(+2)などの表現と濃度値の関係がメーカーにより差がある。調査用試料の濃度によっては、A社では+2の中央付近となり結果も良好となるが、B社では+1と+2の境界値付近となり+1,+2に相当する濃度値報告が混在し、B社のグループはA社のグループより成績が悪いような印象を与えてしまう。今回の調査結果より、このような問題点が判ったため、平成14年度の試料として何を使用するか検討中です。
Q7:臨床化学の目標値設定方法は、問題があったか?
A:はい=1(1.5%)、いいえ=45(69.2%)、わからない=13(20.0%)
実行委員会のコメント:
 目標値の設定方法の代表例には、調査報告値より得られる平均値などがある。今回、臨床化学分野では、代表数施設において共通の1次標準物質にて較正した後に配布試料の測定をおこない、それらの測定値より目標値を設定する方法をとった。なお、UAにおいて問題点が判明したが、それについては別途記載。→こちらへ

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.調査の効果に関して
Q1:調査が日常業務(精度管理、メンテナンスなどに)に役立ったか?
A:はい=56(86.2%)、いいえ=5(7.7%)
Q2:自己評価の結果と対応について教えて下さい。
回答群: A=異常なし(対応なし)。
B=自施設内で機器・試薬の確認・調整を実施した。
C=メーカーに連絡して、機器調整をおこなった。
D=値ははずれていたが、特に対処していない。
E=その他
項目 Glu TC TG HDL-C UA UN CRN Na K CL
A 47 44 37 39 46 42 42 36 36 30
B 4 4

6

5

4

7

3

2

2

6

C

1

1

2

2

0

0

1

2

2

4

D

1

1

1

1

0

1

3

0

0

0

E

1

5

7

4

2

3

4

2

2

2

54

55

53

51

52

53

53

42

42

42

 

項目

RBC HGB HCT WBC PLT

A

43

45

44

43

41

B

2

2

1

1

4

C

8

7

6

8

6

D

1

1

1

1

1

E

3

2

5

4

4

57

57

57

57

56

項目

GLU TP Occult

A

40

37

36

B

1

1

1

C

2

1

1

D

2

2

2

E

4

6

7

49

47

47

       
E(その他)の記載例: 配布試料の保管方法に問題があった。
Blank値の値を設定しなおした。
他の施設と相関試験を実施した。
試薬・標準物質・機器の再検討をした。
分析装置を更新した。
メンテナンス方法の見直しをした。
電極の定期交換間隔の見直しをした。
試験紙の判定方法(目視)を改善した。
定性値から濃度値への換算方法を訂正した。
他のサーベイでは問題がないので対応なし。
メーカーに相談したが、問題なしとの回答だった。

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4.調査全体に関して
Q1:次年度も調査に参加しますか?
A:はい=60(92.3%)、いいえ=1(1.5%)、不明=2(3.1%)
Q2:回数は年1回で適当か?
A:はい=52(80.0%)、少ない=7(10.8%)
実行委員会のコメント:
 研修会の講演であった福岡地区の臨床化学のように、年数回が理想ではありますが、予算面などの問題もあり、当分の間は年1回とさせていただきます。  
Q3:調査を希望する項目を教えて下さい?
 

項目

尿沈渣 28 43.1
虫卵(フォト) 17 26.2
虫卵(サンプル) 9 13.8
WBC分類 27 41.5
異常WBC 26 40.0
PT 12 18.5
Fbg 6 9.2
複合因子T 11 16.9
Hb-A1c

26

40.0

CRP 34 52.3
HBs-Ab 13 20.0
HBs-Ag 22 33.8
HCV-Ab 23 35.4
ABO 15 23.1
Rh 16 24.6
不規則性抗体 4 6.2

項目

グラム染色 9 13.8
菌名(データ) 6 9.2
菌名(サンプル) 8 12.3
感受性試験 6 9.2
心電図 18 27.7
超音波 12 18.5
病理染色 3 4.6
細胞診染色 1 1.5
細胞判定 3 4.6
酵素 26 40.0
GOT 7  
GPT 7  
LDH 7  
CK 4  
rGT 6  
ALP 6  
AMY 2  
ChE 2  
LDHなどの詳細酵素項目は記載のあったもののみ
 
実行委員会のコメント:
 平成13年度の計画では、臨床化学においては酵素項目(JSCC法)を、また尿一般においてはフォトサーベイの追加実施を計画しています。血液では、四国血液研究班や血液分科会により標本サーベイが実施されているので形態サーベイを実施する予定はありません。
 その他の分野については、平成14年度に実行委員会の再編成がありますので、その時に今回のアンケート内容を考慮の上、スタッフの選定をおこないたいと思います。

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5.その他の質問やご意見
施設名を公開するメリットは何か?
実行委員会のコメント:
 施設名公開の目的・利点は、平成12年度精度管理研修会テキストP.138に記載してあります。以下、その文章を引用します。
「施設名を公開することによって、精度管理調査への取り組み方に緊張感が生まれると共に、測定方法が同じ施設同士で情報交換することも可能となり、本書をより有効活用することができるのではないかと思われた。また作業をする上で、(中略)施設番号と施設名を照合しなければならず、円滑に作業が進まず支障をきたした。」
同時に多部門の試料測定をしなければならない。部門ごとに時期をずらせないか?
実行委員会のコメント:
 事情は理解できますが、部門ごとにずらすと配送作業と費用が2倍3倍となり、予算面で厳しいのが現状です。ただし、平成13年度は臨床化学で酵素項目の調査が予定されております。そのために、試料の取り扱い条件が厳しくなり、臨床化学と血液・尿一般は、おのずと試料配布がずれることが予想されます。
UAの目標値と報告値の平均がずれていた原因は何か?
実行委員会のコメント:
 前述のように、配布試料の目標値設定のため標準物質を購入し、複数の施設で機器を較正の上で配布試料を測定しました。その際に使用した較正用標準物質の濃度値に問題がありました。標準物質は、除蛋白後にHPLCで測定されたのですが、除蛋白の際にUAの回収にロスがあり、実際より低い濃度値が付けられていました。
ドライケミストリーも参加させて下さい。
実行委員会のコメント:
 現行では、目標値の設定など厳しい状況にあります。ただし、現在のメーカー動向としては、ウェット法に値を合わせる体制を整えつつあります。また、酵素においても一部メーカーからは、JSCC法の試薬が出る予定にあります。そのような状況が整えば、目標値の設定が可能になり、ドライケミストリーも参加可能と考えています。
桁数の記入ミスなどを防ぐために、マスに記入する方法にしてはいかがですか。
実行委員会のコメント:
 ご指摘ありがとうございます。平成13年度については、テストケースとして可能な施設においては、フロッピーディスクまたはメールによる結果回収も考えています。いずれにせよ、改善を図りたいと思います。

ご協力、ありがとうございました。

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